京都の貴船神社は、全国から縁結びを求めて参拝者が集まる効果絶大のパワースポットです。
「復縁できた」というエピソードが有名な中宮、結社(ゆいのやしろ)。
縁切り祈願も出来るという奥宮。
貴船神社にまつわる様々な体験談の含めて、まとめました。
京都のパワースポット・貴船神社

景色が美しい叡山電車に乗り、参拝する貴船神社。
枯れることのない湧水が沸き、縁結びや縁切りなど多くのパワースポットがあります。

霊山貴船山と鞍馬山の谷間に位置し、美しい貴船川沿いを本宮→奥宮→中宮(-ゆいのやしろ-)の順番で参拝していきます。
貴船神社本宮のパワースポット
87段の階段へ

貴船神社の鳥居です。

見事な春日灯篭(かすがとうろう)が並んでいます。
春夏秋冬、どの時期に参拝しても、見事な景色を見ることが出来、参拝者の心を優しく癒します。

階段を登りきると、本宮の境内です。
貴船神社本宮のご祭神は、高龗神(たかおかみのかみ)。
貴船神社のHPによると、「水の供給を司る神様」であり、龍神として信仰されている神様です。
水はすべての生命の源、たくさんのパワーを頂けますので、まずはこの本宮で、たくさんのエネルギーを感じ、体に取り入れましょう。
白と黒の神馬

白と黒の神馬。
白い馬は晴天を表し、黒い馬は雨雲を表すといいます。
水の神様として、古くから厚く信仰されている貴船神社では、雨が続けば白い馬を奉納して晴れを願い、日照りが続けば栗毛の馬を奉納して、雨が降るのを祈った歴史があります。
手水舎

お手水舎です。
貴船神社、「氣生根(きふね)略記」には
水六訓
- 水は尊し
- 水は美し
- 水は清し
- 水は強し
- 水は深し
とあります。
本宮のご神木・桂の木

貴船神社には本宮、中宮(結社)、奥宮とそれぞれ桂のご神木があります。

本宮でもご神木が力強く大地に根付き、堂々とそびえ立っています。
ご神木の桂を上から見てみると、枝が力強く四方に伸びています。
この力強さは、「まるでご祭神、高龗神(竜神)の姿にも見える」と表されるほどです。

貴船は、「氣生根」とも表現され、「全ての氣が生まれる根源」として、とてもエネルギーが強く、参拝すると神氣に触れ、元気がよみがえり、運気が上昇すると言われます。
お神水と水占おみくじ

本宮の社殿横、お神水です。
このお神水は貴船山からの湧水で、一度も枯れた事がありません。

また、この辺りの地域を貴船(きぶね)と呼びますが、この貴船神社は、澄んだ水を表して、「きふね」と濁らずに呼ばれます。

ご本殿の側には、お水汲み用のボトルも500円で販売されています。
※貴船神社の公式HPでは300円となっていましたが、現地では500円となっていました。(2019年10月現在)
お水汲みをすると荷物が重たくなるので、先に奥宮と中宮(結社)を参拝され、最後にお水汲みされることをオススメします。

少し運試しをするなら、水占おみくじがオススメです。
社務所で200円で授与出来ます。
好きな紙を選び、神水におみくじをひたすと、運勢が浮かび上がるというもの。

お神水のところにも、水占おみくじについての詳しい説明があります。

この水占おみくじは、ネットでもあたると評判になったので、多くの人が水に浮かべて占っていますね。
石庭

庭石としては大変貴重な貴船石だけで作られたという石庭。
船の形を表しています。

庭の真ん中にある木は、船の帆を表しているそうです。
古代の人々が神祭を行ったという神聖な祭場「天津磐境」(あまついわさか)をイメージして作られたそうです。
貴船神社には本宮、中宮(結社)、奥宮すべてに船に関する石があります。
大地のエネルギーがあふれる場所として、素晴らしいですね。
本宮ご本殿

とても美しい本宮です。
古来より、源義経、春日局など、歴史上の人物も多く参拝し、願いを成就したと伝わっています。

ぜひゆっくりと参拝して、まずはエネルギーをいっぱい頂いてください。
貴船神社本宮の美しい景色


たくさんの絵馬が奉納されています。

87段の階段と反対側、奥宮に近い方の鳥居です。


縁切りのパワースポット・貴船神社奥宮

本宮を出てから、まずは中宮(結社)を通り過ぎ、奥宮へと向かいます。
参道はとても気持ちよく、さわやかな水の流れと澄んだ空気が続きます。
思ひ川・思ひ橋

縁結びのパワースポット、思ひ川までやってきました。
和泉式部が、恋の成就を願ったことから「思ひ川」と呼ばれるようになりましたが、元々は奥宮に参拝する人が、参拝前に身体を清めたという川。

下を流れるのが思ひ川、上にかかる橋が思い橋です。
つつみヶ岩

近くにあるつつみヶ岩にもパワーを頂いておきましょう。
古代の火山灰堆積の模様を表す水成岩で、紫色に輝き、色調・形状ともに秀でた名石。
大昔、貴船・鞍馬は海底火山であったことがたくさんの化石から証明されている。枕状溶岩もそれを証明するひとつで、海底火山の活動によって流れ出した溶岩が海水で冷やされ固まり、これがいくつも重なって枕状になる。
引用:貴船神社公式ホームページ

奥宮は、この貴船神社の創建の場所です。
神武天皇の皇母にあたられる玉依姫命(たまよりひめのみこと)が、貴船に乗り、大阪湾~淀川~鴨川を通り、この地に水の神様を祀られたのが貴船神社の創建とされています。
神門・手水舎

奥宮の鳥居の前に手水舎があります。
さすが水の神様が祀られている場所、どこまでも澄んだ水です。

奥宮の神門です。
この先に強力なパワースポットが広がります。
丑の刻詣りと貴船神社奥宮

貴船神社の奥宮が縁切りのパワースポットと言われる理由は、「丑の刻詣り」にあります。
「丑の刻詣り」と言えば、丑の刻(午前2時から前後1時間)の間、神社の御神木に呪いたい相手に見立てた藁人形にクギを打ち込みながら、相手の不幸を願うという古来伝わる呪いをかける方法です。

貴船神社の奥宮は、この丑の刻参りの発祥の地と言われます。
「宇治の橋姫」という人が貴船神社に7日間籠り、「妬ましい女を取り殺したいので鬼になりたい」と願った伝説があります。
その祈った姿こそが頭に鉄輪を乗せ、ローソクをさした姿です。

後に橋姫は鬼となり、恨んでいた女やその相手を殺してしまいますが、最後は陰陽師で有名な安倍晴明に封印されたという話。
確かにとても怖い話ではありますが、この奥宮には、そのような怖い空気は一切ありません。

もともと「丑の年、丑の月、丑の日、丑の刻」国土豊潤を祈るため、貴船明神が降臨されたことから、丑の刻詣りに参拝すると心願成就するという伝承がありました。
ですので、決して貴船神社の奥宮は呪いをかける場ではありません。
安心して参拝してください。
人には誰でも切りたい縁や、捨ててしまいたいものなどあるものです。
奥宮でしっかりと悪縁との縁切りを祈願しましょう。
拝殿・ご本殿

奥宮の拝殿、その奥が本殿です。
貴船神社奥宮のご祭神は、高龗神(たかおかみのかみ)。
本宮の同じご祭神ですが、一説ではこの奥宮のご祭神は、闇龗神(くらおかみのかみ)とも伝えられています。

高龗神と闇龗神は、同一神であるとも伝えられ、二柱とも水の神様です。
高龗神の「高」は日が注ぐような山の高いところを表し、闇龗神の「闇」は、谷あい、谷間を表します。

また、ご本殿の下には龍穴(りゅうけつ)があると言われています。
龍穴とは、大地のエネルギーが凝縮している場所であり、風水で「繁栄する」と言われる土地のことでもあります。
この貴船神社奥宮の龍穴は、奈良県室生龍穴神社の奥宮近くの「室生龍穴」、岡山の備前にある「備前の龍穴」と並び、日本三大龍穴と呼ばれています。

1861~1863年に行われたご本殿修理の時、大工が、あやまってノミを龍穴に落としてしまいました。
すると「一天にわかにかき雲り、突風が起こり、ノミを空中に吹き上げた」という伝説があります。

ご本殿の隣には、「権地」と札が立ててある場所があります。
「権地」とはご本殿の建て替えや工事などを行う際に仮の社殿を立てる場所のこと。
しかし、貴船神社の奥宮は、この龍穴の存在により、長い間修理が行われていないということです。
船形石

ご本殿の左側。
船の形をした石組があります。
これこそが、貴船神社創建にかかわる「船形石」です。
玉依姫命(たまよりひめのみこと)が大阪湾から黄色い船にお乗りになり、淀川~鴨川をさかのぼり、その地に至った。
その時にお乗りになった黄色い船は、人目につかぬようにと石で包まれたという伝説があります。
古来、日本人は川上への憧れがあった。「澄む」という字は、「川を登る」と書くように、川上は清浄な場所であり、モノを生み出す神秘の処であった。それは「水を飲む時には源を思え」といわれるように、ものと心を大切にする、報恩反始の精神につながっていく。貴船神社創建に関わるこの伝説も、このような遡源(そげん)思想が根底にあり、万物の根源である水に対する信仰と相まって、貴船信仰として全国に広がっていったのであろう。
引用:貴船神社公式HP

今でも船旅の安全のご利益などから信仰が厚く、小石を持ち帰り、船旅に石を持参すると、安全な航海が出来ると言われています。
連理の杉

奥宮の神門近く、ご神木の「連理の杉」があります。
「連理」とは、別々の木が重なり、一つになることを言います。
特にこの奥宮の「連理の杉」は、杉の木と楓の異なる木が和合したという、とても珍しいものです。
夫婦、男女の仲が睦まじい事もあらわされ、良縁のパワースポットとなっています。

まっすぐに天高く伸びていますね。
復縁のパワースポット・貴船神社中宮(結社-ゆいのやしろ-)

貴船神社の中宮、結社(ゆいのやしろ)です。
縁結び、復縁など良縁を結ぶパワースポットとして古くから信仰されているところです。
相生の杉

結社に登る階段の横、夫婦和合、良縁のパワースポットである相生の杉があります。
同じ根から生まれ、共に育ち、天高くまっすぐに伸びています。
樹齢1,000年のご神木なので、寄り添って10年という仲睦まじい木の姿です。

根は地に張り巡らされ、多少のことでは動じない強さ、深さを感じます。
相生には「相老」、夫婦で共に長生きをするという意味もあるそうです。
年をとっても仲の良い夫婦は、誰にとっても理想です。
参拝して、太く、長い良縁を授かるように祈願しましょう。
結社・ご本殿

貴船神社最大の縁結びのパワースポット、結社(ゆいのやしろ)です。

中宮のご祭神は、磐長姫命(いわながひめのみこと)。
磐長姫命は、木花開耶姫(このはなさくやひめ)という美しい妹神と共に瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)のもとに嫁ぐことになりました。
しかし、瓊瓊杵尊は美しい妹、木花開耶姫だけを迎え、姉の磐長姫命はご実家へと戻されてしまいます。
それ以降、磐長姫命は、せめて他の方の縁だけは結ぼうと、この貴船の地にとどまり、人々の縁を結んでおられるのです。
昔、瓊々杵尊(ににぎのみこと)が磐長姫(いわながひめ)、木花開耶姫(このはなさくやひめ)姉妹の内、妹の木花開耶姫を娶られる時、姉妹の父である大山祇命(おおやまつみのみこと)は姉の磐長姫も共に奉ろうとなさいました。
しかし、尊は木花開耶姫だけを召されたので、磐長姫は大いに恥じて、「我長くここにありて縁結びの神として世のため人のために良縁を得させん」といわれて、この地にお鎮まりになりました。
引用:貴船神社公式HP
天の磐船(いわふね)

結社の境内でまず目をひくのが、この船の形をした「天の磐船」です。
貴船山、山奥で見つかったというこの石、なんと自然石です。
古くは、「船」は唯一の交通機関であり、人と人、文化と文化を結びつけるという大切な役割を担うことから、えんむすびの信仰と深い関わりがある。
引用:貴船神社公式HP

結社のご祭神である、磐長姫命(いわながひめのみこと)の御料船として奉納されました。
※御料(ごりょう)とは、天皇や貴人の用いるものの事。すなわち御料船は、神の用いる船ですね。
結び文

神への手紙、結び文です。
その昔、縁結びを願うのに、長い草を木に巻き付けると願いが叶った、という伝えがあります。
結び文も若草色をしていて、昔から続く縁結び祈願を思わせます。

縁結びの願いを書いて、結び所にくくり、良縁を祈願します。

縁結びの願いをかいて、結び処に結びましょう。
結社が復縁のパワースポットと言われる理由

結社は、縁むすびのなかでも「復縁成就」の絶大なパワースポットとして信仰されています。
それは、和泉式部がこの貴船神社を参拝したことで、心の離れていた夫と再び仲睦まじくなったというエピソードにあります。
和泉式部が詠んだ和歌が歌碑になっています。
当時、とてもモテたと言われる和泉式部。
結婚、離婚、大恋愛など波乱万丈の中、最後の夫となった藤原保昌の心が戻りますようにと貴船神社に願掛けされたそうです。
それから現代にいたるまで、復縁を願うたくさんの人が、この結社を訪れます。
ご神木・桂の木

中宮の境内にあるご神木、桂の木です。
昔の人は、結び文のかわりに長い草をこのご神木に結んだのでしょうか。

遠くから見ると、炎が力強く燃えているような姿にも見えます。
古歌にも詠まれる復縁のパワースポット

室町時代に書かれた「御伽草子」の中には、「貴船の物語」という話があります。
鞍馬の鬼の国を治める大王の娘と、都の中将が恋をする話です。
鬼の娘と人間の男という、最初からハードルだらけの恋は、娘の死という形で一度終わりを告げます。
それでも娘を忘れられない中将は、娘が無事生まれ変われるよう、教えを守り忠実に行動します。
再び姫は生まれ変わり、そこから大難をいくつも乗り越えて、再び結ばれます。
娘は貴船明神となり、中将は貴船両所の御神として、人々の願いを見守っているというステキな話です。
まとめ
- 貴船神社は縁切り・復縁のパワースポット
- 参拝は本宮→奥宮→中宮の順番でする
- 奥宮は決して怖いところではない
貴船神社
京都府京都市左京区鞍馬貴船町180